2019年08月15日

最期の歌

改めてのお知らせです。

今年もMasamune怪談会を2019/8/24(土)の21時半頃から開催します。語り手・聞き手どちらでも、ぜひぜひご参加下さいませ。

詳細はこちらの告知で!


当日語るお話は既に書き上げましたが、今回はそれとは別のお話を一つ(例によって怪談という感じでもないのですが)。
※漆黒のメインシナリオのネタバレをほんのり含むのでご注意を!※








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 穏やかな空気に包まれたその部屋で、老紳士は本を読んでいた。静寂を破るのは、の装束に身を包む二人の道化師。

「やあやあ!、ちょっと失礼するよ」

「これはこれは道化師方、いったい今日はどんな御用ですかな」

「質のいいメオルが入荷してねぇ。これで新作料理を作らせてドンに出そうと思ったんだけど」

「食通でも知られるキミに、その前に試食してもらおうってわけさ!

「ふむ、それは光栄なことですが……」

 本を置いた彼の前に、一皿の料理が運ばれた。薄めにスライスされたメオルに温かな野菜を添え、その上にソースがかけられている。ナイフとフォークでこれをとりわけ、口へと運ぶ。

 鼻をくすぐるふくよかな香りと、なめらかな舌触りに彼の目は軽く見開かれた。

「いや、これは素晴らしい。芳醇なソースの香りもさることながら、何よりもこのメオルのしっとりとなめらかな食感は……ああ、まさに天上の料理のようです」

 彼の言葉に、道化師たちは満足そうに微笑んだ。

「そうかいそうかい、それは良かったよ。ドンもお喜びになられるだろうね!」

「それじゃボクらはこれで失礼するよ〜。あとはゆっくりと……おや?」

「ーーッ、失礼しました。これほどの料理を、私の金糸雀にも味わわせてあげたいと考えてしまいました。フフ、こんなことではいずれ、再会する彼女に笑われてしまいますな」
            ・・・
「ははあ……いや、きっとその子も喜んでいると思うよ」

 上機嫌で帰っていく道化師たちを見送ると、彼はふと空を見上げた。
 美しい金糸雀の、歌声が聞こえた気がして。


20190815_01.png
歌を失くした金糸雀は 天へと昇る
真白き光に 包まれて

歌を失くした金糸雀は 最期に歌う
真白きその身を 糧にして
posted by Punish at 22:16 | Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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